BAND OF PLEASURE

Band of Pleasure / Live At Kirin Plaza (1992)

ミュージカル『Mama I Want To Sing』のレコーディング、そして山岸潤史のソロアルバム『My Pleasure』でのジェイムズ・ギャドソンやDavid Tとの出会い。そこに清水興(B : 元ナニワ・エキスプレス)、続木徹(Key : 元チキンシャック)が加わり結成された日米混成バンド、その名も「バンド・オブ・プレジャー」。記念すべき1stアルバムはライブレコーディングによるナマ感炸裂の一枚。エネルギッシュで濃密な世界を封じ込めた傑作だ。山岸潤史とDavid Tによる個性的なギタープレイもさることながら、ゆったりとした音空間に見え隠れする切れ味の鋭いギャドソンのビート、しなやかでシンコペートの効いた清水興のグルーヴィなベース、全体を一つの色に染めあげる続木徹の鍵盤など、全編ドリーミー&スウィートな香りがにただただ満面の笑みが。David Tもお馴染みのフレーズをこれでもかと繰り出す全力投球。「Hey Boy, Get Off Of That Dream」での度肝を抜かれる十八番フレーズ満載プレイや、「You Are My Sunshine」カヴァーのエンディングで聴ける華麗な独壇場ソロプレイなど、そこかしこに絶品のタッチとフィーリングが点在。ラストを飾る「Just Passing Time」ではギャドソンのボーカルにのって美しいR&Bが繰り広げられる。目の前にアンサンブルの情景が立ち現れる極上のライブ盤。必聴です。

Band of Pleasure / Band Of Pleasure (1994)

2ndアルバムにしてスタジオ録音による初めてのアルバム。「Slap Jack」から山岸潤史とDavid Tの火花散るシャッフル・ブルース。続木徹の生ピアノもゴキゲン度120%のこの一曲で幕を開ける本作には、David Tのオリジナル曲が3曲クレジットされ、またジェイムズ・ギャドソンが3曲ボーカルを担っているのも聴きどころの一つだ。ため息が出るメロウテイストの「Taste of Tokyo」では、ギャドソンのボーカルに絡みつくDavid Tのキラ星プレイが絶品のグルーヴを描き、ゲスト参加のドナ・ワシントンとのデュエットのミディアムナンバー「Believe in Me」の滑らかなメロウネスや、ウォーターズのバックボーカルが美しくサポートする「I Can't Go On Without You」など、ギャドソンの歌声を強く印象づけるプレイが素晴らしい。アルバムラストを飾るアイズレー・ブラザースのカヴァー「Don't Say Good Night」のスローテンポのしっとり感は極上シルクの肌触りだ。

Band of Pleasure / A Tiny Step (1995)

事実上のラストアルバム。前作にも増して濃密な空気が漂いまくりの大R&B大会だ。中でもベース清水興のペンによる「B.J.」と「Don't Forget the Greens」は、ファンクテイストが強く安定感あるグルーヴが体を自然体に揺らしていく。女性ボーカルとしてゲスト参加のSue Ann Carwellが織り成す「Bound and Chained」ではDavid Tのギターも彩りよく映えまくる。続木徹のペンによる「A Tiny Step」ではスローテンポながらも抜群のタイム感で繰り広げられる一体感とリリカルなピアノが実に素晴らしい。ラストを飾る「Try One World」では、David Tお得意のキラ星イントロのフレーズが飛び出し、エンディングまで落ち着きのある華麗なプレイが連続。どんな化学反応が起こるのか未知なる可能性のサウンドが満載なだけに、たった3枚のアルバムしか残さなかったという結果に心から惜しいと叫ばずにはいられないのだ。


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About
『For All Time』
『Wear My Love』
『Thoughts』
Solo album 60's & 70's
Solo album 80's & 90's
Unit album
Band of Pleasure
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