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近年はDavid T. Walker Bandの一員として欠かせないベーシストの2015年最新作。同じくDavid T. Walker Bandの一員であるンドゥグ・チャンスラーをはじめ、ジョージ・デュークやシーラEら旧知のメンバーに加え、カマシ・ワシントンやブランドン・コールマンら新鋭アーティストも迎えながら、重心低い70年代ファンクテイストとまろやかな横揺れグルーヴの緩急を織り交ぜた聴き心地良さ満載の一枚だ。スローテンポながらワウサウンドによる立体的なうねりが炸裂する「Oh, Really」や、キンバリー・ブリューワーや元チャプター8のヴァレリー・ピンクストンらがボーカル参加しメロウテイストに仕上げたスティーヴィー・ワンダーのカヴァー「Higher Ground」などでは、ジョージ・デュークの十八番的フェンダーローズが効果的にグルーヴの彩りを添え、アル・ジャロウのカヴァー「Heart's Horizon」で聴ける熱のこもったバイロンのベースプレイには、原曲にも参加したデュークへの追悼も脳裏をよぎる。ベーシストのソロアルバムだけにベースプレイを引き立たせるアレンジが見られるものの、その強調が嫌味に聴こえずサウンド全体に自然に溶け込むところは、バンドアンサンブルを裏で支えるミュージシャンならではのアルバムだからかも。David Tは「U Must Be Crazy」と「Eyes」の2曲に参加。David T流フレーズはここでもまったく不変で、安心感をもたらす仕事ぶりが絶妙だ。
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