David T. Works Vol.31

David Tが参加した数々のアルバムの中からピックアップして紹介するこのコーナー。そろそろきつくなってくる頃ですか……。いやいや、まだまだ続きます。ではVol.31の10選をどうぞ。

Southern Fried / A Little Taste Of Southern Fried (1971)

正体不明の謎の5人組唯一のアルバム。ダウン・トゥ・アースでソウルフルなバラエティに富んだナンバーを曲毎に男女二人がそれぞれをボーカルをとるスタイルがなかなか飽きの来ない構成で痛快。マイケル・オマーティアン(P)、ジェリー・マギー(G)、ジーン・ペロ(Dr)、元キャンド・ヒートのラリー・テイラー(B)といった面々の参加も、その経緯や人脈的繋がり具合を考えると興味深い。ダニー・オキーフの「Sweet Rollin'」やティム・ハーディンの「Don't Make Promises」のカヴァーも聴かせどころだが、ベン・E・キングの「Stand By Me」やインプレッションズ「People Get Ready」などで聴ける原曲と180度異なる趣きのカヴァーは他では聴けない個性がたっぷりで、このバンドへの興味を急激に加速させるから不思議。David TのギターはA1「Under Your Spell Again」でのバッキング以外ほとんど聴こえてこない静かな参加で残念。

Billy Preston / Music Is My Life (1972)

躍動感と高揚感溢れるロックでソウルなナンバーが満載のビリー・プレストン絶頂期の一枚。コーラスワークやホーンセクションの導入などゴスペルの影響が随所に垣間見える厚みのあるサウンドプロダクションはこの時期の彼の真骨頂だ。何より彼の歌声と鍵盤が全曲素晴らしい仕上がりで最初から最後まで一気に駆け抜けるバラエティに富んだ構成も見事。時折り見せるグルーヴ感たっぷりのベースはブラザーズ・ジョンソンのルイス・ジョンソンだ。そんな名演揃いの本作にはDavid Tも大きく貢献。ビートルズナンバーA3「Blackbird」でエッジの効いたメロウフレーズを奏で、B1「God Loves You」やB3「Nigger Charlie」では全編ワウペダルを駆使したオブリを縦横無尽に聴かせる。ギターで参加するジョージ・ジョンソンのペンによるB4「Heart Full Of Sorrow」ではそのジョージの硬めのバッキングにメロウに絡むDavid Tの姿が実に粋。A4「I Wonder Why」ではゆったりとしたテンポでストリングスとワウが交差する中、キラ星フレーズの山を築きブルージーなソロまで披露する。そして自らのピアノとオルガンのみをバックに歌うアルバムタイトル曲で幕は閉じていく。ミュージック・イズ・マイ・ライフ。これは大傑作盤。

Little Richard / The Second Coming (1972)

アルバムのあちこちから香りがプンプン漂う"キング・オブ・ロックンロール"の72年作。全曲リズミカルでビートが効いたノリノリのテイストが満載で何も考えずに一気に全編聴き通してしまうこと間違い無しの快心作だが、程よく計算されたバックトラックのアレンジの妙も見逃せないポイントの一つ。特にA3「It Ain't What You Do, It's The Way How You Do It」やB1「Thomasine」などで聴けるチャック・レイニーのスタッカート効かせまくりのグルーヴィベースが思う存分に堪能できるところが実にうれしいところ。アール・パーマーの職人的激渋ドラムも要所要所でメリハリを聴かせ頼もしい限り。旧知の仲であるDavid Tも非常に地味ではあるがひっそりと参加。A2「Second Line」A5「Nuki Suki」などでワウプレイバッキングを静かに熱く披露している。

The Henry Jackson Company / Just Being Alive (1974)

ヘンリー・ジャクソン率いるゴスペルユニットが74年に残した傑作。総勢9名のゴスペルシンガーによる文字通りのゴスペルソングが粋な形で実を結んだ聴き心地良い一枚だ。オーソドックスな彼らの歌声は、ポール・ハンフリー(Dr)、スコット・エドワーズ(B)、レイ・パーカーJrらによるスマートなバックトラックによって迫力と色気を増し艶のある輝きを放っているかのよう。プロデュースワークにジーン・ペイジ、ストリングス・アレンジにデイヴィッド・ブラムバーグ、とくれば、やはり登場しないわけにはいかない的法則通りのDavid Tの起用。ブルースフィーリングたっぷりのA3「Send Your Power」や、ゆったりとしたR&B風テイストのA4「With Christ It Can Be Done」などから聴こえてくるDavid Tの特徴あるフレーズの効果は、キリリと締まった緊張感と安心感で程よく癒されること間違いなし。

Love Unlimited / In Heat (1974)

バリー・ホワイト&ジーン・ペイジの完全バックアップによるボーカルユニットの74年作。美しく輝くストリングスの音色とエド・グリーンのステディなドラムによるビート感の対比。全編あちこちから漂いまくるバリーサウンドの真骨頂とも言うべき彩りになくてはならないのがDavid Tやワー・ワー・ワトソンによるギターフレーズだ。B1「I Needed Love」ではDavid Tの粘り気ある弾力感120%のカッティングに、ワー・ワーのダウンリックが絡み付く。前作『Under The Influence Of...』にも収められた「Love Theme」の再演では、彼女たち3人の歌声に乗ってきらめくようなDavid Tの十八番フレーズがビシバシ連発。いつまでも色褪せることない名曲を演出するバックアップ陣の存在感をあらためて感じる瞬間がここにある。

Jim Gilstrap / Swing Your Daddy (1975)

ボーカリストとしてのキャリアは長いが、ソロアルバムとしては本作が1st。バックボーカリスト参加などでDavid Tとも共演歴もある彼の力量は言わずもがなで、シンコペーションの効いたミディアムファンクナンバー「Ain't That Peculiar」や「One More Heartache」のカヴァーでも力強い味のある喉を披露している。プロデューサーのケニー・ノーランのペンによる3曲にはジーン・ペイジがアレンジャーとして参加。となればDavid Tの参加も推測できるわけで、クレジットはないもののアルバムタイトル曲からはいつものフレーズが僅かだが顔を覗かす。が、ホントにひっそりなところがちょい残念。

Marilyn McCoo & Billy Davis Jr. / I Hope We Get To Love In Time (1976)

元フィフス・ディメンションの夫婦デュオのデビュー作。全米No.1ソング「You Don't Have To Be A Star」を含むスウィートでメロウな楽曲が並ぶ快作だ。アレンジャーとして参加したホレス・オット、ウェイド・マーカス、デイヴィッド・ヴァン・デ・ピットらの手腕が随所でキラリと輝きを見せるところも本作のスマートさのポイントの一つ。熱すぎず冷えすぎずの安心して楽しめるラブソングが全編を彩る中、David Tは控え目ながらもアルバム全体に渡って繰り広げられる愛の世界を後ろ楯する堅実なバックアップに徹している。

Peabo Bryson / Peabo (1976)

ロバータ・フラックとのデュエット曲「Tonight I Celebrate My Love」があまりにも有名なピーボ・ブライソンのデビューアルバム。既に完成しきっている感のある素晴らしい歌声の数々が聴けるボーカルアルバムに仕上がった本作は、4つのチームからなるバックトラックによる表情の異なるサウンドプロダクションの妙も聴きどころの一つ。ロジャー・ホーキンス(Dr)、デイヴィッド・フッド(B)、ジミー・ジョンソン(G)らによるマッスル・ショールズ録音の「Just Another Day」や「Do You Believe In Love」などは柔らかくふところの深いリズムによる豊潤なサウンドが伸びのある歌声に見事にハマる。特にB2「Underground Music」では、ダウン・トゥ・アースなファンクネスも垣間見えるグルーヴ感たっぷりの一曲。Bang Rhythm Sectionと記されたリズム隊によるアルバムラストのB5「Got Is On Our Side」はまるでスティーヴィー・ワンダーのような歌声とミディアムテンポのファンキー加減が実にいい感じ。そんな中、David Tは西海岸録音のメンバーとして参加。その活躍は地味で目立たないものの、A5「You Bring Out The Best In Me」やB4「Let The Music Play」で聴けるエド・グリーン(Dr)、レイ・パーカー・Jr(G)、ボビー・ホール(Per)といったお馴染みのメンバーが繰り出すステディな伴奏は、安定感とメロウネスをあますところなく演出している。

Bobbi Walker / Diamond In The Rough (1980)

82年の2nd『Bobbi Walker』の評価が一枚上の感が大だが、一流メンバーが多数参加したLA録音によるデビュー作となる本作も質の高い演奏が繰り広げられる好盤。アレンジャーにデイヴィッド・ブラムバーグを迎え、ジェイムズ・ギャドソン(Dr)、フレディ・ワシントン(B)、ネイザン・イースト(B)、ピート・ロビンソン(Key)といった安定したリズム隊のサウンドにボビの伸びやかな歌声は申し分なくハマる。ブラコンのはしりのような時代のサウンドプロダクションがちらほらと目に付くが、「Ain't Nobody's Business」や「You're The One」など、地味ながらもアルバム全体の端々から有機的なDavid Tのフレーズが別の生き物のように奏でられる瞬間は思わずドキリ。というかニヤリ。中でもスラップ風ベースが印象的な「Stop The Clock」での弾力あるDavid Tのカッティングはリズムギターのお手本とも言うべきツボを随所で堪能できる。

Bobby Womack / So Many Rivers (1985)

ボビー本人とジェイムズ・ギャドソンの共同プロデュースによる85年作。時代はブラコン全盛期。ウォーターズやメリー・クレイトン、ステファニー・スプルイルといったバックボーカル陣や、ウィルトン・フェルダー(B)、マイケル・ワイコフ(key)といった腕利き達の参加はあるものの、シンセ的サウンドプロダクションの香り漂うポップで画一的な仕上がりは致し方ないところか。が、曇りのないボビーの歌声は健在。スローテンポのR&Bではやはりその存在感は格別で、A4「Got To Be With You Tonight」やB4「That's Where It's At」で聴けるDavid Tのメロウなギターとの相乗効果は抜群だ。

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