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ソロアルバムや映画のサントラなど、この時期立て続けに自身の作品をリリースするソングライター兼マルチプレーヤーのウィリー・ハッチの74年作。冒頭を飾る「Get Ready For The Get Down」のつかみはOKなプレ・ディスコ的トラックが予兆させる、軽妙なファンクネスとメロウネスが全編を支配するグルーヴ感溢れる好盤だ。そんな中、本作に収録された「Try It, You'll Like It」からDavid Tの音色が。それもそのはず、この曲はシスターズ・ラヴが1973年にシングルリリースした同曲や、あるいは2001年にリリースされたマーヴィン・ゲイの73年作『Let's Get It On』デラックス・エディションにアウトテイクとしてボーナストラック収録された同曲と、同じバックトラックを流用したもの。自身のライティング楽曲ということからか、トラックごと他のシンガー名義でも使うというハッチ流カットアウト手法に、このアンサンブルの仕上がりの素晴らしさの証しと、バックアップしたミュージシャンへのただならぬリスペクトがあると思いたい。
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